2012年7月21日土曜日

トレンドは繰り返す、過去に学べ!~菅原健二『流行ノ法則』


たとえば現在に生きる僕らの目から見た明治や江戸時代と、

当時暮らしていた人々が考えるその時代とでは当然ズレがあるわけで、

同時代の視点でなされた時代観察、あるいは分析は

少し距離をおいて客観的に見たのとはまた違う印象になるだろう。

とくにメンタルな部分などは振り返って見るのとは別のリアルタイムのナマナマしさがあり、

そういった書物を探し出すのも、古本漁りのダイゴ味であります。ウィッシュ。

というわけで本書は80年代後半、時代がバブルにさしかかった時期に出たトレンド分析本です。

アマゾンにも在庫がない本だ。MG出版という版元も現在はおそらくないだろう。

トレンドという言葉も古いなあ。というかトレンドというものが予測可能と考えられていた時代がいまとなってはひどく牧歌的に感じられるというか。いまは先が見えない時代だもんなあ。あ、これも昔から言われてるか。

さて、流行には周期があるとかリバイバル現象があるとかはよく聞きますが

著者はそれまでの各時代にヒットした商品やTV番組、人気を集めた芸能人などさまざまな事象をとりあげ、

「一匹狼か群れ会う羊か」「勤勉なアリか享楽的なキリギリスか」など対立する二項の図式をつくり、

さらに両者が数年おきに入れ替わるという自論を展開しております。若干コジツケの感じはありますけど。

一世を風靡したヒット商品や出来事は、ある世代から上には懐かしく、

それらがリアルタイム目線で語られているのは、いまとなっては貴重です。

余談ですが古本屋で購入した本書には「ヤングキング創刊」というチラシがはさまっておりました。

お宝にはならないでしょうが、こういう発見も古本ハンティングの楽しみのひとつです。


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